IRT診断テストは、NHKエデュケーショナルの制作・監修により、開発されました。日本語・英語・数学の基礎学力を全国規模で測定します。大学は、その結果を入試の改善や教育活動、学習活動にいかすことができます。
一般入試・AO入試・推薦入試など、入試形態の多様化に伴い、入学時の学生の基礎学力を判別することが、年々難しくなります。筆記試験を受けずに入学する学生の増加、少子化がもたらす受験競争の緩和から生じる受験生の学力差の増大、受験年度による入試の難易度差などが、その主たる原因です。
多くの大学は、入学してくる学生の正確な学力を把握できず、習熟度別クラス編成も困難になってきています。それらの問題を解決するために、基礎学力(日本語・英語・数学)について客観的な評価ができるよう開発されたのが、IRT診断テストです。
IRTは、項目応答理論(Item Response Theory)の略称で、評価項目群への応答に基づいて、受験者の知識・技能やさまざまな能力などの特性を測定するための統計的理論です。
このIRT診断テストでは、全国20万人の中高生を対象に行った基礎学力調査(標準化テスト)の統計分析から作成した学年別の標準的な学力標準に基づいた評価項目を用いて、受験生の学力を評価します。そのため、受験条件や年度格差に左右されない、客観的な学力を測ることができます。
入学時の学力を正確に把握することで、次のようなメリットが生まれます。まず、筆記試験を受けていない入学生の基礎学力を把握することができます。筆記試験免除の受験生が増加する傾向にある今日、学生の学力の客観的評価を把握することは、学生が大学での学びに取り組むための具体的な目標を立てる上で非常に大切です。
次に、こうして明確になった学生の学力は、入学者のレベルに応じた習熟度別クラスの編成にも役立ちます。クラス分けをより適正に行うことで、レベルに応じた学習を展開でき、効果的な学力向上が望めます。
テスト結果については、受験生氏名・学生番号(ID)・能力スコアを対応表として、エクセルファイルでお届けします。
能力スコアは、200~800点に分かれています。高3以上レベル、高2レベル、高1レベルのように点数レンジによりレベル表示されます。英語は学年別に加え、英検レベルの換算値も表示します。採点処理については、答案をいただいてから2~3日を要します。クラス分けなどで至急ご入り用の場合は、ご相談ください。